独立開業してお店やサロンなどを持つ場合、必ず検討されるのは「ホームページをどうするか」ということです。今はSNSやYOUTUBEなどのサービスが充実しているので、もはやホームページは必要ないと考える方も多いようですが、それでもホームページは作るべきです。
・なぜホームページを作る必要があるのか
・作るならどういうサービスを使うべきか
について解説します。
ホームページは集客に役立つか
自前のホームページを持つ目的として「集客」が挙げられます。Googleなどで検索した人が自分のホームページに辿り着き、内容に惹かれて申し込む。確かにそのような役割もホームページにはあります。
しかし最近のネット事情を見渡してみると、ホームページが集客に貢献するということに過度な期待を持つのは禁物と言えます。ネット検索で引っかかるのは検索エンジンの1ページ目かせいぜい2ページ目までくらいまでですから、そのくらい上位表示されないとほとんど誰もあなたのホームページに気づいてくれないのです。
もしホームページで集客をしたいのであれば、専門業者に頼んでSEOという検索エンジンの上位に表示される仕組みをホームページに組み込むか、Googleなどに広告費を払って上位表示させることが必要です。しかしいずれの方法でも費用が掛かります。しかも効果は基本的にかけた費用に比例しますから、個人経営はなかなか大手企業には太刀打ちできません。
このように考えると、個人経営者が「ホームページだけ」で集客をするのはもうほとんど不可能だと言えるでしょう。
ホームページは業者に頼むか自作するか
ホームページに直接的な集客効果が期待できないのなら、ホームページなど持つ意味はないのでしょうか。いや、実際はそんなことは決してありません。ホームページはやはり持つべきです。
なぜホームページを持つべきなのかを解説する前に、どのようにホームページを作るのが良いかという前提について押さえておきましょう。
ホームページを作るには、大きく「ホームページ制作会社に作ってもらう」か「自作する」の2つがあります。どちらが良いのでしょうか。
私もこれまでいくつものホームページを専門家に作ってきてもらった経験があります。そして最近は全て自作しています。その両方の経験を踏まえてお勧めするのは「自作」です。特にこれから開業する人、開業してまだ年月が浅い人には「自作」うぃ強くおすすめしています。なぜなのかについて説明しましょう。
ホームページを自作するメリットとデメリット
ホームページを自作するデメリットとは
ホームページを自作するデメリットは、「客観的な見せ方ができず独りよがりなページになりがち」ということです。
私たち経営者や職人は自分のビジネスにプライドを持っているものです。自分の商品やサービスは本当に価値がある、そう思うからビジネスをしているわけです。このようなプライドを持つことはもちろん素晴らしいことですが、それをホームページで説明しようとしたとき、「自分たちはこんなに素晴らしい」と押しつけになってしまい、「お客さんが本当に知りたいこと」について何も説明していない、そんなことが良くあります。プライドがあだになるのです。
ところがホームページ制作専門業者をいれることで、「こういうページがあるといいですよ」「こういう説明を入れてください」とアドバイスをもらうことができ、より客観的なサイト作りができます。自作ではそれがないので、よく気を付けなくてはならなりません。
ちなみに自作すると業者に頼むより手間がかかるという心配はあまり必要ありません。後述しますが最近では誰でも簡単に自作できるホームページ制作サービスも多々ありますし、コンテンツを作るのは自作であろうが業者であろうが結局自分ですることになるので、手間はほとんど変わりません。むしろ自作なら原稿更新もワンタッチでできますが、業者が入るとメール等でのやり取りというひと手間が増えますから、思うほど楽ではないものです。
ホームページを自作するメリットとは
ホームページを自作することには大きなメリットがあります。それは自分のビジネスの見つめ直しを通して、課題の発見、改善のヒントなどが得られることです。
自分のビジネスについて最も熟知しているのは言うまでもなくビジネスを行っているあなた本人です。強みも弱みも誰よりも知っていることでしょう。しかし知っていることと理解していること、さらには言葉にできることは全く別物であることも事実です。
例えば10人のカレー屋の店主に向かって「他の店にはないあなたのカレーの魅力を一言でどうぞ」と質問したとして、果たして何人がすらすらと説明できるでしょうか。たぶん半分いるかどうかだと思います。
さらにはその答えが「当店のカレーは10時間煮込んだコクが絶品なのです」であったとしたならば、さらに「なぜ10時間が絶品になるのですか。5時間と20時間と比べるとどう違うのですか」とちょっと意地悪な追加質問をしたとしたら、それでもすらすらと応えられる店主はほとんどいないでしょう。
なにが言いたいかというと、私たちは自分のビジネスについて「フワッとした」分析しか行えていないことが多いということです。だからちょっと踏み込んだ質問をされたらしどろもどろになってしまうのです。それではいざという時に困りますね。
ホームページを作るということは、自分のビジネスを言葉で説明するということです。その為には「自分は何をしているのか」をどんどん掘り下げて考えていく必要があります。この掘り下げることで、自分の仕事の魅力や問題点を発見することがよくあります。「こんな強みがあったんだな」と魅力が見つかればお客さんに伝えていくことができるし、問題点があれば改善することができます。このようにホームページを作ることで、実際のビジネスがブラッシュアップされていくのです。だからホームページは自作するほうが良いのです。
ホームページを自作、改良し続けることが大事
このようにホームページを業者に頼むことで「客観的なホームページを作れる」というメリットが得られる一方、自作することでは「自分の中でビジネスを深堀りできる」というメリットが得られます。どちらを取るべきかということですが、結論は後者つまり「それでもホームページは自作するべし」です。
確かにホームページの作り始めは、ホームページの作り方を勉強したり、ついつい独りよがりになる失敗をしたり不都合な面も確かにありますが、それもすべて勉強になり、経験値となります。
また業者に任せてしまうと一定ラインのホームページは作れますが、どこか他で見たようなページになりがちです。しかし自作し、さらに都度都度に修正を積み重ねていくことで、他には決してないあなたの個性が光るページになっていきます。
そもそも集客は何のためにするかというと、数を集めるのではなく自分が求めるお客さんを集めることです。(詳しくは『整体院経営百科』参照)
その為には自分がどういう人間で、どういう商品やサービスを提供しているのかをでけきるだけ具体的に伝える必要があります。これは業者ではなく自分で悩みながら書いていくのが一番なのです。
実際に私も開業してから20年以上たちますが、何度もホームページは作り直しました。初めのころは業者に作ってもらっていましたが、内容変更が手間がかかるので、自作するようになりました。(最近ではワードプレスやもっと簡単なホームページ制作ツールがありますから、SNSができる人なら誰でも自作ホームページは作れます)
そして20年経った今でもホームページの改善は続けています。ホームページを見直すことで実際の仕事も見直し、改良することができるのです。ぜひ皆さんにもホームページの自作をおすすめします。頑張りましょう。
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